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2011-02-04(Fri)

長門有希から学ぶ「美少女キャラのキャラを立たせる方法」

希有馬「なぜラピュタをやろうとすると誰もが必ず玉砕するのか」ではシータというヒロインがどのように描写されているのか、そしてその意図について語られています。
これをライトノベルの美少女キャラでも考えてみよう。ということで、涼宮ハルヒの憂鬱から長門有希登場シーンを抜き出して、長門有希が一つの物語の中でどう描かれているのか、描写の変化をどうつけているのかを探ります。
そこから、美少女キャラの描写方法として学べるところをまとめたいと思います。

ハルヒ等のメインヒロインを取り上げない理由はメインヒロインだと登場シーンが多すぎて収拾つかなかったからだよ!
パラパラと読んだだけで挫折したよ!
長門も人気だからきっと大丈夫。

先に結論だけ書いておきますね。

・キャラの特徴を繰り返し描写し印象付けよう。
・印象付けが終わったら少しづつギャップを描写しよう。
・主人公と読者の美少女キャラに対する印象が重なるようにしよう。
・主人公しか知らない美少女キャラの一面をつくろう。
・ドキドキする場面をつくろう。
・主人公は美少女キャラに良い影響を与えて、美少女キャラが変わるきっかけになろう。
・主人公と美少女キャラは互いに助けあうシーンをつくろう。
・美少女キャラには見せ場をつくろう。
・見せ場を作ったら、余韻を感じる場面もつくろう。
・最後はきちんと締めよう。


長い記事になったので折りたたみました。
引用はすべて涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)からです。

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2011-02-03(Thu)

ヒロインの登場シーンを考える 〜ハルヒ、禁書目録、桐乃〜

「ラノベに『萌えがない』が落選の理由になることって多い?」の質問にプロ作家さんが答えてくださいました。から連想を広げて、魅力的なヒロインをいかに描写するかを考えてみました。
私はそもそも萌えがよくわかっていない(萌え=かわいいじゃないの?)のですが、ライトノベルでは”ヒロインが魅力的であること”は必須だと思います。
そして、キャラクターの魅力は初登場シーンで最も端的に表されると思いますので、いくつかのラノベ作品のヒロイン登場シーンから、ヒロインの描写に必要な要素を考えてみます。
取り上げるのは、涼宮ハルヒの憂鬱、とある魔術の禁書目録、俺の妹がこんなに可愛いわけがないのヒロイン。
とある魔術の禁書目録は御坂美琴の方が人気あると思いますが、一巻の美琴はヒロインとしては描かれていない(このへんはフェブリ vol.04の鎌池和馬先生へのインタビューでちょっと語られています)ので禁書目録の方でやってみます。

涼宮ハルヒの憂鬱 涼宮ハルヒ登場シーン

 頭でひねっていた最低限のセリフを何とか噛まずに言い終え、やるべきことをやったという開放感に包まれながら俺は着席した。替わりに後ろの奴が立ち上がり―――ああ、俺は生涯このことを忘れないだろうな―――後々語り草となる言葉をのたまった。
「東中学出身、涼宮ハルヒ」
 ここまでは普通だった。真後ろの席を身体をよじって見るのもおっくうなので俺は前を向いたまま、その涼やかな声を聞いた。
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
 さすがに振り向いたね。
 長くて真っ直ぐな黒い髪にカチューシャつけて、クラス全員の視線を傲然と受け止める顔はこの上なく整った目鼻立ち、意志の強そうな大きくて黒い目を異常に長いまつげが縁取り、薄桃色の唇を固く引き結んだ女。
 ハルヒの白い喉がやけにまばゆかったのを覚えている。えらい美人がそこにいた。


キョンの一人称で語られる”俺は生涯このことを忘れないだろうな”という言葉が、その後のハルヒの登場に期待感を持たせる効果がある。
ハルヒのキャラクターを印象づける”特徴的な台詞”。
外見の特徴と美人だということ。
ハルヒの性格を示す描写―――傲然と受け止める・固く引き結んだ。他人を寄せ付けない性格を示す。
主人公との関係、後ろの席に座る同級生、ということ。
主人公のヒロインに対する感情―――生涯忘れることができないほど印象的な美人。
ヒロインの謎、なんでハルヒはこんな事を言うんだろうか?

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)谷川 流,いとう のいぢ

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とある魔術の禁書目録 禁書目録登場シーン

 干してあったのは白い服を着た女の子だった。

「はぁ!?」
 両手で抱えていた布団がばさりと落ちた。
 謎だ。しかも意味不明だ。女の子は、なんか鉄棒の上でぐったりバテてるみたいに、腰の辺りにベランダの手すりを押し付け、体を折り曲げて両手両足をだらりと真下に下げている。
 歳は……十四か、十五か。上条より一つ二つ年下という感じ。外国人らしく、肌は純白で髪の毛も白髪――じゃなくて銀髪だろう。かなり長いらしく、逆さになった頭を完全に覆い隠して顔が見えないぐらいだった。おそらく腰ぐらいまで伸びてるんじゃないだろうか?
 そして服装は、
「うわ、本物のシスターさんだ……、いや妹ではなく」
 修道服? とでも言うのか。教会のシスターが着てそうなアレだ。足首まである長いワンピースに見えなくもない服に、頭には帽子とはちょっと違う、一枚布のフード。ただし、一般の修道服が『漆黒』であるのに対し、女の子のそれは『純白』だった。おそらくシルクじゃないだろうか? さらに衣服の要所要所には金糸の刺繍が織り込まれている。同じデザインの服でも色づけが違うだけでこうもイメージが変わるのかと思う。これじゃまるで成金趣味のティーカップみたいだった。
 ピクン、と女の子の綺麗な指先が動いた。
 だらりと下がった首が、ゆらりと上がる。絹糸のような銀髪がサラリと左右に別れ、上条の方を向いた少女の顔が長い長い髪の隙間から、カーテンでも開くように現れる。
(うわっうわっ……ッ!)
 女の子は割と可愛らしい顔をしていた。白い肌に緑色の瞳が海外スキルぜロの上条にとっては新鮮に映って、何だかお人形めいた印象がある。
 だが、上条がうろたえてるのはそんな事ではない。
 そもそも『外国人』だ。英語教師に『お前は一生鎖国してろ』とまで言われる上条当麻である。どこの国のお人か分からない人にいきなりまくしたてられたら、きっと思わず羽毛布団だって買ってしまうだろう。
「ォ、―――――――」
 女の子の、可愛らしいけどちょっと乾いた唇がゆっくりと動いた。
 思わず上条はそのまま後ろへ一歩二歩。ぐにゅっと床に落ちたヤキソバパンを踏み潰す。

「おなかへった」


こちらもハルヒと同じく、一行目で読者のひっかかり、”干してあった”って何だ!?、を作ってます。
ヒロインらしさを表す一言目、「おなかへった」。
外見の特徴と美しさ―――外見年齢、絹糸のような銀髪、お人形めいた印象。
禁書目録の特殊性、『純白』。
主人公のヒロインに対する第一印象、謎の美少女。
ヒロインの謎、なんで少女は干されているんだろうか?

”ヤキソバパン”の一行、とてもいいですね。
上条当麻の庶民らしさが現れて、禁書目録の非日常性とヤキソバパンの日常性が対比されて、その後の禁書目録の台詞に水を運んでいる。
上手い!

とある魔術の禁書目録(インデックス) (電撃文庫)
とある魔術の禁書目録(インデックス) (電撃文庫)鎌池 和馬,灰村 キヨタカ

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 高坂桐乃登場シーン

 学校から帰宅すると、妹がリビングで電話をしているところだった。
 妹の名前は、高坂桐乃。現在十四歳。近所の中学校に通っている女子中学生だ。
 ライトブラウンに染めた壁の毛、両耳にはピアス、良くのばした爪には艶やかにマニキュアを塗っている。すっぴんでも十分目を惹くだろう端正な顔を、入念なメイクでさらに磨き上げている。中学生には見えないくらい大人びた雰囲気。背がすらっと高く、しかし出るところはきっちり出ている――。
 これて歌でも上手ければ、いかにも女受けしそうなカリスマアイドルのでき上がりだ。
 身内の贔屓目なんかじゃない。俺の妹は、とにかく垢抜けているやつなのだ。
 もっとも自慢の妹だと誇るつもりはぜんぜんない。男連中からほよく羨ましがられるし、連中の気持ちも分からんでもないが、俺としては冗談じゃないと言いたいね。


以下、主人公の妹に対する感情の独白が続き、ヒロインの台詞が出てきます。

ヒロインの外見と魅力――中学生には見えないくらい大人びた雰囲気、とにかく垢抜けているやつ。
主人公との関係、兄と妹。
主人公のヒロインに対する印象。
周囲のヒロインに対する印象――男連中からほよく羨ましがられる。

ヒロインの性格はあえて触れていないですね。
これで、後々性格が出てきた時にいいギャップを作っていますね。

しかし、この一行目、ひどいね……。フックがない。
主人公とヒロインを最初から同時に出すのは説明するべきことが膨大になるので無茶に近いなぁ。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)伏見 つかさ,かんざき ひろ

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まとめ
MUST
・ヒロインの登場シーンは入魂の一行目をつくれ!
・ヒロインのキャラクターが現れる台詞をつくろう
・ヒロインの外見的な魅力を伝えよう
・ヒロインと主人公の関係を伝えよう
・ヒロインに対する主人公の第一印象を伝えよう。そして、読者と主人公の第一印象を同じにできるように工夫し、主人公に対して感情移入できる(主人公のもつ第一印象に共感できる)ようにしよう

WANT
・ヒロインの性格を伝えよう
・ヒロインに読者の興味がわく謎をつけよう

その他
・主人公とヒロインが物語開始前に知り合っている(俺妹)と、ヒロインの初登場シーンを魅力的に書くのは相当な工夫が必要。主人公と読者のヒロインに対する印象が乖離するので。

後は、プロットと関係しますが、ヒロインの登場シーンで伏線が貼られていますね。
上手い物語だとほぼ全てのシーンで伏線は貼ってあるのでヒロインとは関係ないかも、ですが。

機会があれば、主人公・敵の登場シーンや他の作品でもやってみたいと思います。
2011-01-31(Mon)

「マラザン斃れし者の書」に見る「馬の使い方」

ほとんどのファンタジー小説で登場する、馬。
マラザン斃れし者の書でも何度も登場しますが、その馬の上手い描写の仕方をいくつか引用します。

馬の良し悪しで乗り手の違いを表す

大尉の馬が吹き上げてくる風を浴びてたじろいだ。大尉が手綱を強く引くと、馬はおとなしくなった。ただし鼻を広げ、耳を倒し、筋肉を震わせている。一方で、女官の牡馬は身じろぎしない。(P49)


大尉が馬を制御できていない一方、女官が制御できていることで場慣れしている様子を示す。
女官のほうがいい馬に乗っていることで、女官のほうが高い位であることも示す。

馬を脇役として使い、場面の様子をみせる

パランは馬を引いて門に近づいた。しかし馬は首をふってしりごみした。なだめてもいうことを聞かない。しかたなく馬にまたがって手綱をつかんだ。馬の鼻先をまっすぐアーチにむけ、力強く拍車をいれた。馬は驚いて闇に跳びこんだ。(P80−81)


未知のものに対する恐怖だとか、場面のおどろおどろしさを読者に伝えたい時、驚いたり怖がったりする脇役がほしくなります。特に主人公が勇敢な場合は、脇役と主人公を対比させて、主人公の勇敢さを示すこともやりたくなります。
しかし、脇役をそうほいほい出せないシーンの場合、馬を脇役として動かすことができます。中世が舞台の場合、主人公が馬にのっているシーンは多いので、使いどころは多々あると思います。

もちろん、馬以外の動物でもこうした役目を行うことはできます。
ライトノベルだと、ゼロの使い魔では使い魔がその役目を担っていますね。
後は現代舞台の小説では犬がその役目を担っていることもありますね。

碧空の城砦1 (マラザン斃れし者の書)
碧空の城砦1 (マラザン斃れし者の書)スティーヴン・エリクスン,佐伯経多&新間大悟,中原尚哉

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マラザン斃れし者の書は、よくファンタジー小説を書く際にありがちな「説明のしすぎで読者が興味をうしなう」ことを上手く回避しているので、そこも勉強になります。
プロットに関しては、大長編なので新人賞の参考にはなりませんが……。
2011-01-29(Sat)

キャラクタの二面性とキャッチーなつかみ 許されざる者(クリント・イーストウッド監督)

善と悪のあいまいさ、キャラクタの二面性を非常に上手く表した良作でした!
キャラクタの価値観が多面的で、それが暴力というものに様々な側面からスポットを当てている。

娼婦の流した噂に尾ひれついて、大きな悪に見せかけてしまう。そして、娼婦が自分の創りだしたものに気づいたときはもう手遅れ、という「弱者が制御できない怪物をメディア(噂)を使って生み出す」構図はこれからの作品でも十二分に通用するテーマかと思いました。

ただ、今までのイーストウッド主演作品を見てからのほうが数倍は楽しめる作品なのは間違いないですね。
夕陽のガンマンとかを見てから鑑賞するべきでした。もったいないことをした。

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許されざる者 [Blu-ray]クリント・イーストウッド,ジーン・ハックマン,モーガン・フリーマン,リチャード・ハリス

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許されざる者@ぴあ映画生活

キャラクタの性格とその二面性を伝える

ウィリアム・マニー、スコフィールド・キッド、リトル・ビルらの初登場シーンでのキャラクタの見せ方がとても参考になりました。
映画は小道具や仕草、台詞を通じてキャラの性格や特徴を表す手管が勉強になります。

例えば、ウィリアム・マニー登場時は豚を追いかけて泥まみれになっていたり、銃で缶を撃てなかったり、馬に振り落とされたりして衰えを示しています。

スコフィールド・キッドはいかにも新品な服や銃を持っていたり、いきなり自慢話を始めたり、ニックネームを銃から取ったりしてはなたれ小僧ぶりを示しています。

リトル・ビルは、音声解説からの引用ですが、町を守る保安官としての側面と、サイコパスの側面が最初の登場シーンで明らかになっています。
行動は保安官らしいのですが、娼婦の怪我に眉ひとつ動かさず、犯人を冷たく見下ろし、アリスの怒りに耳を傾けない姿。
ジーン・ハックマンの名演です。

小説は映画に比べてはるかに心理描写をしやすいメディアですが、こうした描写は取り入れたいですね。
2011-01-28(Fri)

タイトルを 「アーメン南無阿弥陀仏とんこつラーメン肉ましまし」に変更&2つ投稿

タイトルが凡庸だったので変えてみました。

それは落ちものから始まった(2)

あなた自身の魂といかに向きあうか(1)

の2つを新たに公開しました。

日曜日くらいには新作を公開したいですね。

1日3000字を執筆の目安にしています。
小説執筆にかぎらないのですが、目標を1日レベルまでブレイクダウンし、それを達成できたかできなかったかのチェックをし、改善できるところを探す。というのが仕事の方法論だと思ってます。
跡は他者のレビューもあれば修正しやすいので、小説もこうやって都度都度公開しています。
まだまだPVは少ないのでアレですけど。
プロフィール

たけむら考

Author:たけむら考
たけむら考(こう)
小説家志望
ライトノベル(ラノベ)新人賞をめざして執筆中
第18回電撃小説大賞に応募予定

写真は中国パンダ保護区で撮影

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